凄いスピーカーが完成しました。
正直言ってここまでの音になるとは予想しておらず、音出しをして面食らったほどでした。完成した、というよりも出来てしまった、の方が適切かもしれません。
これまでも何度か震えるほど「やったぜ!」となっていますが、今回が一番衝撃だったかもしれません。予想を超えてきたという点でも。
音を追求することを徹底してモノづくりを進めると、どうしても出来上がったスピーカーは高価になってしまいます。私はスピーカー設計をする時に、明確な設計意図を持って、その意図を音として表現する事を第一としています。ですから完成した音に対して、よしよし、思った通りの音になったぞ、流石オレ!などとガッツポーズをしています。そして今回は、音は素晴らしいけど高価になってしまっている状態に対して、「価格を抑えた手頃な小型のブロックダクトスピーカーを設計しよう。5万くらいで売れるブロックダクト式。」という設計方針です。
通常、価格は出来上がってから設定しています。これだけのコストがかかっているからこれくらい、という風に。
しかし、今回は価格ありきで設計しました。
構想自体は去年の暮くらいからです。BlockDuct-C148siが大成功したと思っていたので、この小型ブロックダクトの路線を考えはじめました。ブロックダクトが通常のパイプ型バスレフダクトより明確に強みを発揮できるのは小型化したときではないのか?と考えるようになったきっかけがBlockDuct-C148siだったのです。
これです。この時にこんな小さな径のダクトでダクトノイズは大丈夫なのか?という不安を払拭できたのが大きかった。ブロックダクトのダクトノイズは極小。というか無視できるレベルだと自信を深めるきっかけになり、その後設計と試作を繰り返していました。
現在のブロックダクトは入り口・出口どちらにも同形状のラウンド加工を施しています。これが実は一番音に効果があると思っています。バスレフはダクトから勢い良く空気が出ますが、同じ量の空気が入っていきます。ここがポイントです。
入り口・出口を同じ形状にすることがダクトノイズを減らすためには一番重要なのです。これ、気が付いているスピーカー設計者は世界でわししかおらんで。いや、まじで。
というわけで、試行錯誤を重ね辿り着いた形がこれです。ぱっと見SolidDiceのようですが、パッシブラジエター式のSolidDiceではなくブロックダクト式のバスレフです。
価格を抑えるためにバッフル以外はアカシアの集成材を使いました。15ミリ厚です。バッフルは最近多用しているイエローシダーです。20mm厚。ダクトはリア下部コーナーに設置します。小さいけど紛れもないブロックダクトです。
クリア仕上げとオリーブグリーン仕上げと2種類の仕上げを試してみました。
クリアの方はオイル仕上げ後、乾燥後ウレタンニスを塗布しています。オリーブグリーンの方はオリーブグリーンの刷り込むタイプのニスを塗布後、仕上げにクリアのウレタンニスを塗布しています。
サイズは125mm×120mm×200mm
で、肝心の音はどうなのよ?とここまで読んでいただいた皆さんは気になっていると思います。何が凄いのよ?と。
このサイズのスピーカーで50Hz~フラット再生出来るって信じられますか?48Hzの音がしっかりわかるってあり得ないですよね。
こんなスピーカー、たぶん、他にない。
点音源故の揺るぎない音像と奥行きを伴った広い音場。デスクトップで使える超小型にもかかわらず唸るベース。それが特定の帯域を誇張した音ではないところがミソです。
BlockDuct-C154siという型番になりますが、なんか愛称つけたくなりました。
音を聴いた第一印象がこりゃびっくり箱みてえだな、ということでJackBoxにしようかと思いましたが、ネーミングセンスないので、安易にJackBoxはやめた方がいいかな、、、
JuveBox?うーむ・・・イマイチかなー
ちょっと考えます。
アカシアの修正材なので、もともと材にあり取り切れなかったピンホールや集成材固有の継ぎ目のムラみたいなものがあります。しかし、組み立ては全力でガチガチに圧着していますので音は完璧です。
プレミアムバージョンとして広葉樹を使ったものも今後制作予定です。
今回のこのイエローシダー&アカシアバージョンは標準仕様として工場で生産して沢山の方に聴いてもらえるような方向も検討中です。
小型スピーカーの常識を覆すイノベーションになると自信を持ってお届けします。
オリーブグリーンはヤフオクに出品します。クリア仕上げは定番仕上げなのでBASEにて販売します。
どちらも税・送料込みで52800円で販売開始します。
ホント、凄いの出来ましたよ。


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