Solid Diceはうちとマークオーディオのフィデリティムサウンド社とのコラボ商品として商品化したスピーカーです。コイズミ無線や音楽の友社他で販売されています。どこで購入しても同じスピーカーです。
ユニットやサイズを変更して同じスタイルのスピーカーをうち独自のSolid Diceとして制作してきましたが、その一環です。今回は以前からやってみかった使い勝手無視のサイズ感です。奥行が約30センチもあるふざけたサイズ感です。
通常版のSolid Dice ➡W114×H98×D139 mm
今回のSolid Dice PR20➡w110×H114×D292mm
通常版のSolid Diceの奥行きを2倍にした感じのサイズです。
これまで制作したSolid Dice PRシリーズはユニットは別の物を使ってきましたが、今回はユニットもパッシブラジエーターも同じものです。内容積を約2倍にしたものの効果を聴くためです。通常版はバッフルはアフリカケヤキですが、こちらは国産ケヤキなどの違いはありますが、主な設計意図は奥行きを倍にした時の懸念点の確認です。写真を見てわかるようにまるで筒状なので形状的に共鳴音が出てしまう心配をしていました。密閉されているので共鳴管動作はしないはずですが、開管だった場合は280Hz辺りで一時共鳴が起こります。
結果としてはこの辺りの懸念点は完全に杞憂でした。注意しながらF得でも確認しましたが、やはり密閉されているのでそのような動作はしていませんでした。
この問題点がないとするならば、内容積を倍にした効果は言わずもがなです。
BlockDuct-Cシリーズで板材を組み合わせる事で鳴く板を平均化させることで自然な響きを再現することに夢中になっていますが、このSolid Dice PR20はその手法を取り入れています。面倒ですが4種類の板材を組み合わせています。
先述しましたが、バッフルは国産のケヤキ18ミリ厚。その他、側板はアフリカンチーク11ミリ厚、背板はホワイトオークの10ミリ厚、天板と底板はアカシア集成材の15mm厚を使用しています。3種類の無垢広葉樹と集成広葉樹材の組み合わせです。
JuveAcousticsの考えるパッシブラジエーター式は小型密閉型の上位互換方式です。ティールのジム・ティール氏はパッシブラジエーターはバスレフ式の上位互換動作と考えているようですが、小型化したスピーカーにパッシブラジエーターを装着する場合は低音増強としてのラジエター動作よりも、密閉動作する場合の内容積の拡大のメリットの方が全然大きいと考えています。
さて内容積を二倍にした効果の音ですが、やはり低域に厚みをもたらしています。素直に100Hz辺りからだら下がりの特性になっているので、感覚的には5~7リットルの密閉箱の低域の質感に似ています。
通常版のSolid Diceは少しトンコントロールで低域を持ち上げたほうが気持ち良い場面がありますが、このPR20はトンコンなしのアンプでも全然オーケーではないかと感じました。
そして密閉でこれだけの音を出すには大型化するのでバッフルは大きくなりステレオイメージは出にくくなりますが、このスピーカーはバッフル最小なのでステレオイメージの再現性は非常に優秀です。
そして背面にパッシブラジエーターから放射される音と前面ユニットとの距離が離れているのもサウンドステージ的には有利です。
音的には大成功です。ホントに大成功なのですが、やはり使い勝手無視の設計は実際セッティングして聴く場合に机の上に置けません・・・
もともとデスクトップスピーカーとして始めたこのシリーズですが、デスクトップに置けないじゃんね・・・
しかし、音は自信をもってお勧めできるので、セッティングに関しては使う方に丸投げすることにします、、、、
ということでセッティングに活用して頂けるように、インシュレーターを8個付属させます。3点支持が良いとは思いますが、8個作ったので。このインシュレーターは無垢のブナ材ですのでこのインシュレーターを使うと計5種類の広葉樹のブレンドの響きということになります。
いや、ホントに使い勝手最悪です・・・・机に置けないデスクトップスピーカーとは?!
でも、まー、バッフル最小のちょっと奥行深めのブックシェルフと考えてくださる方がいましたらよろしくお願いします。
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