The Block Beech お客様のインプレッション

JuveAcoustics

nonDuct-B124siオリジナルとnonDuct-B124siのThe Block Ashの2台を購入していただいていたお客様がいるのですが、nonDuct-B130si The Block Beechの製品版が完成したタイミングでなんと3台目のブロックシリーズ、nonDuct-B130si The Block Beechを購入してくださいました。

オリジナルを購入していただいた時に、ブロックシリーズが提示するリアルなサウンドステージに驚いていらっしゃいました。その後、白タモ版のnonDuct-B124siを導入していただき色々お話を伺うとヨーロッパのオーディオ事情にとても詳しい方ということがわかりました。仕事の関係でヨーロッパに住まわれていたとのこと。その方が「このスピーカーはヨーロッパで売るべきだ」とのアドバイスをしてくださいました。

日本のオーディオシーンは、サウンドステージの再現には無頓着であると強く感じている私にはとても嬉しいアドバイスです。

日本のオーディオシーンにおいて、ステレオイメージについて語っている評論家に傅信幸氏がいらっしゃいます。おそらく氏は30年も前からしきりにステレオイメージについて語っていますが、傅氏以外に熱心にこのステレオイメージについて語っている評論家はいないように思います。日本のスピーカーメーカーでステレオイメージを追求したスピーカーはありません。メーカーとの関係を切れない日本のオーディオ評論家がステレオイメージについて言及しないのは当然かもしれません。

転じて欧米のオーディオシーンはどうでしょうか。主にハイエンドオーディオと呼ばれる世界で第一に語られるのはステレオイメージの再現性です。リアルな音像が3次元的に浮かび上がるサウンドステージ、という表現になります。なぜハイエンドオーディオなのでしょうか。

簡単にいうとステレオイメージを追求するとお金がかかるからです。

これを低価格で提供することを目的に開発したのがブロックシリーズです。ですから、ブロックシリーズの意図する音の世界を感じ取って頂いている方のインプレッションはとても参考になります。

以下その方のインプレッションをそのままご紹介しますが、文中出てくるLS3/5Aについて補足しておきますと、この方は沢山発売された少しずつ異なるLS3/5Aを10機種ほど購入されたそうで声に関しては絶対的な評価を得ているLS3/5Aを比較スピーカーとして出されています。
7月の損保会館とは無線と実験誌主催のオーディオフェスティバルのことです。


さて、アルペアブナ箱(nonDuct-B130si The Block Beechのことです)について。

昨日も触れていますが、7月の損保会館で初めてブナ箱を聴いたとき、正直あれっ?!と思うほど、自宅のオリジナルやタモと違う、ただならぬ気配、雰囲気に気づいたのです。それと全く同じ印象を我が家で聴いた途端に持ったので、アンプも音源も環境も異なるのにすごいことだなと。

それだけ、ブナアルペアの個性が強烈で際立っている、他と違うということだと思います。

具体的には、静かさ、静謐さが際立っていて、音の収束が異常に早い。音が付帯音ゼロですぐ消えてしまうように聴こえることです。比べるとタモ箱は特有の中低域が膨らむ感じのクセが明らかで、オリジナルはそれだけ聞けば十分静かでナチュラルなのですが、ブナアルペアと比較すると雑味が感じられるような気がします。

ブナの一層重量があり強固なキャビネットも寄与しているでしょうが、タモも同様に重くがっちりなので、箱の違いプラス、アルペアユニットの特徴も大きいのではないでしょうか。

いずれにしても、非常に完成度が高い、磨き上げて気になるところは綺麗に修正して、ハイエンド製品を意識させる洗練の音作りです。マニア、特に海外の評論家などはシビアで、欠点ダメ出しするので、そこは利点だと思います。個人的には、少し大人しすぎるというか、静的な表現という印象が強めですけど、これはアンプとエージングで大きく変わるでしょう。寒くなったら真空管でぜひ鳴らしてみたいと思いました。

もうひとつの、大きな特徴は人の声がとてもナチュラルということです。ご存じのようにBBCモニターのls3/5aは人の声が自然に忠実に表現できるスピーカーですが、ニュースなど聞いていると、ブナアルペアはls3/5aかと錯覚するほど、自然で心地よく違和感なく聞けるのです。長時間テレビを見ていてもクセが無く、雑味も無いので疲れが全くありません。

それと比べると、オリジナルもタモもボーカル帯域に若干ではありますが、不自然さというか中域にひっかかりというか、上手く表現できないのですが、人の声にキャラクターがつきます。人間は人の声に最も敏感なので、ブナアルペアのボーカル表現は圧倒的な優位性で、強調して宣伝、訴求されたら良いかと思います。本当に驚いたのですが、これほどNHKニュースアナ(特に男声)が上手く自然に聞こえる小型スピーカーは稀です。

小型モニタースピーカーとしても、上流機器、ソースの違いを忠実に描き分ける性能と相まって超一流です。

音像、サウンドステージ表現、スピーカーが消えるという強みはもちろん秀逸で、オリジナルやタモとそん色ないレベルです。アルペアはダンパーレスなので大入力に弱いということですが、スペック表を見るとCHNよりむしろ耐入力は高いくらいです。いずれにせよ非常識な大音量はご法度。それでも我が家でシンフォニーが普通に鳴る、相当の音量で問題ありません。というかそれ以上に、まさにこれまで何を聴いていたのかというほどに、音楽の造形、細部、表現を露わにしてくれて、何十年聞きなれたCDから別物の感動と発見に衝撃を受けています。
これは本当に凄くて、たいへん失礼ながら野上さんに聴いてほしい(笑)と本気で思いました。
もちろん、これは3種すべてのスピーカーで共通です。もちろん若干のキャラクターの差はありますが。

外観の仕上げ、デザインも素晴らしいですね。ハイエンドオーディオ店に陳列しても違和感ありません。

なんとかこのスピーカーの良さを一人でも多くの方に体験して頂きたいです。ぜひイベントでのデモなど積極出展いただければと思います。

さらに将来は海外にも紹介いただければと思います。日本だけではマーケットが小さくビジネス的には厳しいはずです。海外向けの情報発信をして、少しづつでも浸透していければと思います。ネットワーク等電子部品の無い小型スピーカーの海外発送、輸出はそれほど難しく無いようです。小規模企業の輸出についてはJETRO(六本木アークヒルズ)が専門的サポートしてくれます。さらにPayPalを使えるようにしておけば、海外からの引き合いもリスクとコストを最小限に対応可能と聞いておりますので、ぜひご検討ください。


以上が送られてきたインプレッションです。音についてのインプレッションは私とほぼ同じです。いや、まったく同じですね。販売についてのアドバイスも頂けて本当にありがたいですし感謝しかありません。そして背中を強く押された気分で大きな勇気をいただけましたことを記しておきます。

正直日本でもステレオイメージがスピーカーにとって当たり前の第一の評価項目になることを願っていますが、このスピーカーがそのきっかけになればと。

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