左右非対称型のBlockDuct-C143siです。
バッフルは国産欅17ミリ厚、内側の側板はアフリカンチーク15mm厚、外側の側板はアフリカケヤキ9ミリ、天板、底板はアフリカンチーク15mm、背板はアカシア集成材15mm厚。
BlockDuct-C143siはBlockDuct-C140siやBlockDuct-C141siをいいとこどりを目指したものです。
側板が音像や音場に及ぼす影響を考えた結果の左右の側板の厚みを変えたモデルです。ハーベスのHLコンパクトが日本に入り始めた頃に「板厚を薄くすることで響きをコントロールした」モデルという事でオーディオ各誌で絶賛されていました。
響きが美しいとされるモデルは、キャビネットが鳴いているものが多いという印象ですが、概ね音像のフォーカスは甘く音場に奥行きが伴わないものが多い。ボーカルの口元が大きくなるし、ギターもベースも同じような大きさになる傾向があります。キャビネットの鳴きは音像をリアルに提示するステレオイメージ再生を阻害します。しかし、ふわっとした響きなんかが音楽を豊かに再生する原因となるのも事実です。
良いとこどりできんもんかのう?
音像のフォースに影響するのはまずバッフル、次に内側の側板です。むしろ内側の側板の方が大きいかもしれません。これはパッシブラジエーターを内側に向けた場合と外側に向けた場合で音像が大きく変化することや、140siと141siでの経験からはっきりと確信しています。
内側の側板をがっちり固めておけば音像はシャープにフォーカスします。(もちろんバッフルは極小にして)
外側の側板を薄くして鳴かしてみようか!
上手くいけば美しいステレオイメージと響きの豊かなスピーカーになるはず。
というのがこのスピーカーの設計意図です。
バッフルには国産欅の無垢板を奢って見ました。17ミリ厚です。そして左右のスピーカーのそれぞれ内側に15mm厚のアフリカンチークです。この側板を同じ15ミリ厚のアフリカンチークの天板と底板でがっちりと接着しています。背板は悩んだ末にアカシアの集成材の15ミリ厚にしています。そして肝心の外側の側板は9ミリ厚のアフリカケヤキ(アパ)材を使って響きを外側に加えます。
サイズは118×200×310。
リアブロックダクト式で小容量でも高効率の空気活用で40Hzから再生を目指しました。
ダクト部は白タモと松のコンビで背板のアカシア部分を合わせて70mm厚で背板下半分は70mmの厚みがあるという事になります。合計6種類の木材を使っています。
音のインプレッションですが、今までになかったスピーカーです。左右を入れ替えて音場の表現と音像のフォーカス具合を確認しましたが、まさに狙い通りの音になっています。
私一人では心許ないのでフィデリティムサウンドに持ち込んで、中島社長と社員のジュン君と3人で試聴しました。
左右を入れ替えたときに、「全然違うっ!!」という社長の驚きの声を聞き、思わず、「やはりわし天才やなあwww」とどやってしまいましたぜ。
狙い通りに、外側に薄板の場合、音像フォーカスは引き締まり奥行きを伴う音場になります。そして音場はスピーカーの外側広く響きが拡がります。
内側に薄板の場合はフォーカスは甘く音像は大きくなり奥行きは甘くなります。断然に薄板は外側の方が美しいステレオイメージが提示されます。
またまた傑作を生みだしてしまったぜ。
左右で板材も違うし板厚が違うのでデザイン的にはちょっとアレですが、音は保証します。このスピーカーはシリーズ化します。
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