BlockDuct-C159si 超小型ブロックダクト

BlockDuct

超小型BlockDuct-C159siです。

サイズは77×99×152

BlockDuct-tiny01で6mm径のダクトでも使えることがわかりましたので、今回は10mm径でブロックダクトがどこまでやれるのか?に挑戦しました。

ユニットは前回1インチだったので、今回は倍の2インチに。手持ちに以前購入した2インチのものがあり、そのf0が120Hzだったこともあり、これで70Hzから再生出来るものがつくれるか?で始めました。

 

今回はJuveAcoustics基準をクリア出来て販売できるものを目指します。

使用材はバッフル、天板、底板と中央部を全てウォルナットに。8mm厚です。側板はアフリカケヤキの6ミリ厚を使いました。当然、板は鳴らす設計です。こんな小さいユニット&キャビなのでユニット以外も鳴らして朗々と歌わせるのが狙いです。

そしてダクト部はJuveAcoustics独自のブロックダクト式。ダクト径を小さくすると共鳴範囲を広く取れます。ただし、ノイズや効きが甘くなるデメリットがあります。

内部構造はBlockDuct-C154siを踏襲しています。考え方は同じです。

ダクト径10mmに対して20mm径のショートホーン状に広げています。これは内部も同じ形状です。内部のダクト部分はホワイトアッシュ材で作っています。

これでfd値70Hzを狙いその下60Hzくらいまでカバーする作戦ですが果たして!

 

ユニットはデザイン優先で内付けに。制作は困難です。小さすぎると木工は逆に難しくなるのが困った点です。このサイズでもFクランプで圧着してるんです。瞬間接着剤でちょいちょいっと作れば簡単とは思いますが、無垢材の薄板はこのサイズであっても反りや歪みが100%ありますので、クランプで鬼圧着しないとJuveAcousticsクオリティの音にはなりません。

そしてやっかいなのが内部の吸音材です。小さいからこそ丁寧に全面に貼り付ける必要があります。自作される方はわかると思いますが、普通は先に箱作ってから吸音材入れますよね?それが不可能なのですよ、ユニット内付けのこの超小型キャビでは。先に吸音材を貼って最後に吸音材を貼った側板を圧着します。もちろん、ターミナルと内部配線、ユニット装着と全てを行ってから最後の側板を圧着する工程になります。

そしてユニット内付けなので組み立て前にバッフルの仕上げは行っておく必要もあります。開口部の内側のオイル仕上げはユニット装着後には無理があります。ユニット付けた状態でサンドペーパーかけられませんからね。

そして組み立て完成後にユニット保護の処置をして外部仕上に入るのです。ラウンドかけてやすり掛けしてオイル仕上げです。

と、こんな感じで手間がかかるので、音が販売出来ないレベルだと泣きます。ま、それはしょっちゅうなんですけどね(笑)

 

で、肝心の出音どうなのよ?ですよね。気になりますよね!

予想を上回る低域の量です。50Hzから中域と同レベル再生ですよ(笑)

マジかよ!60Hzなんて目じゃねえ、その下からしっかり出てる。ナニコレ?

これ、たぶん聴いたら誰でもすげー!って唸ると思う。

 

 

とにかくサイズが小さい。なのにこのベース音はなに?と再生中にセレクターを何度も確認するくらいは違和感のある再生音です。他のでかいスピーカーと間違えて再生してる?とyoutube撮影中不安になるくらい低音域が良く出ます。

この小さなキャビに2インチユニットですから大音量はボトミング起こしちゃいますけど、それでも一般家庭では過不足ない音量で再生出来ます。

とにかくこのサイズ感のスピーカーでこれだけの音を、イコライジングせずに出せてるのは他にはないと思います。あります?ないですよね、おそらく。

 

自分で考案したBlockDuctですが、作れば作るほど新たな発見があります。沢山作って来たので当初わかっていなかった事も色々わかってきました。そして改良を重ねてきましたが、自分で進化してると実感できたスピーカーになりました。

ユニットの特性で高域は落ちてますが、ニアフィールド試聴が前提のスピーカーですのでバランスは取れていると思います。アラミド繊維のコーンは高域大人しいものが多いのでこれは想定内です。

これは近日中にヤフオクにでも出品するつもりですが、6万前後を考えています。出品前にお問い合わせからご連絡いただける場合はお安く出来ますのでご検討お願いします。

BlockDuct-C154siと比べて音はどうなの?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、純粋に音だけなら154siのほうが上です。

あくまでもこのサイズ感と無垢ウォルナットで製作した小さな巨人然とした音の佇まいに魅力を感じるかどうかでこのスピーカーの価値が決まると思っています。唯一無二感はとても高いかと。

 

 

 

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