左右の側板を連結している斜めの板についてですが、これはブロックダクト部のすぐ上から斜め後方に設置し、ダクト部に効率よく空気が流れるようする意図と、左右の側板を連結しキャビネットをワンピース化する意図、そしてユニット後方から出る逆位相の中高音をダクトから極力出さないようにする意図の大きく3つの設計意図があります。
この板の名前をJ板とすることにしました。理由は上の写真を見て貰えれば一目瞭然ですね。なんで今まで気が付かなかったのだろう?JuveAcoustics独自のJ板と名乗らせる事にしました。
現在4インチのフラグシップ機のBlockDuct-A138siと3インチフラグシップ機のBlockDuct-AG146siはどちらもJ板を採用しています。J板を採用しているのはこのフラグシップ機2機種のみです。
Cシリーズは小型のものや無垢材のコンビネーションで音作りしているものなのでJ板を採用していません。
J板を採用するとキャビネットが一体化される(ワンピース化)効果で、キャビネットのSN比が上がります。静かなキャビネットになります。もともと必要悪であるコイルやコンデンサーを使ったネットワークを持たないJuveAcousticsのスピーカーは最高レベルの位相特性を持っていますが、このJ板を採用するとそれが徹底されます。
ただし、板の響きは最小になるためにキャビネットを鳴かせて響かせるような音ではないので、そういう音を日常的に聴いている人には、「スピーカーの奥に展開する音場」に「前に音が出てこないオフな音」と感じる可能性もあります。
位相を正しく管理した音はJuveAcousticsのスピーカーのように音場は奥に展開するのが普通です。指揮者の位置より手前にトランペットがあってはダメだとJuveAcousticsは考え、正しい位相で音楽を再生する気持ち良さを追求しています。
そしてこのJ板はその一つの象徴とも言える重要なパーツです。
2つのフラグシップ機に採用しているJ板ですが、3インチはガラスコーンのAlpair5Gを採用したBlockDuct-AG146siが最高の音になっています。
が、しかし、個人的にはアルミコーンのAlpair5も大好きなので、このユニットを使ったJ板採用のBlockDuctスピーカーを新たに製作したくて今回Alpair5の良さを活かした設計をしました。
サイズは150×300×360
全面米松集成材で厚みは30mmを採用しました。
外形寸法で16.2リットルのサイズです。内容積は6.1リットルほどなので、外形寸法に対する内容積は37%しかありません。
うちのスピーカーはみんなそんな感じですけどね。
つまり木の塊ですね。
広葉樹のホワイトアッシュを使ったフラグシップ機より、少し柔らかさがあります。Alpair5はシングルダンパーの良さが確実にあって、繊細で柔らかい音がします。ロックやポップスをガンガン鳴らすユニットではなく、アコースティック楽器の倍音成分の響きをふわっと感じさせてくれるとても優秀なユニットなので、それを最大限活かした音にしたつもりです。
スピーカーの間にミニチュアのオーケストラが並びます。指揮者より前に出たトランペットは存在しません。巨大なベースの中にボーカルの巨大な口があり、その口の中からドラムの音と声が一緒に出てくるなんてことはありません。
大満足の音になりました。
しかし、仕上げを間違えたかもしれません。オイル仕上げにしたのですが、なんだかイマイチな気がしています。上から濃いウレタンニスを塗りなおそうと思ったのですが、「古い家具のような雰囲気でこれはこれで良いんじゃない?」と家人に言われこのまま販売してみる事にします。しばらくヤフオクに出して様子を見て売れないようなら、仕上げ変更に踏み切ればいいかな、ということにしました。
この仕上が気に入って頂ける方がいましたら、音は最高に仕上がりましたのでおすすめです!

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