昨年発表したnonDuct-B124siとnonDuct-B130siは好評を頂いておりますが、今一度両スピーカーの特徴を解説したいと思います。
ブロックシリーズのスピーカーはスピーカーから音が鳴っているように感じません。他のどのスピーカーよりもハイスピードです。ハイスピードサウンドという言葉をよく聞きますが、速い音とは?
一般的に立ち上がりが速くて減衰が瞬時の音、そんなイメージを持たれている方も多いと思います。間違いではありません。しかし真のハイスピードサウンドとは全帯域のスピードが揃っていることだと考えています。音に速いも遅いもないのです。音の速度は同じです。
音速は1秒間に約340メートルのスピードです。スピーカーによって、アンプによってこのスピードが変わるわけありません。スピード自体は同じなのに速い音のようなものを感じるのは確かです。
音の速度は同じなのに何故「立ち上がりの速い音」と感じるのでしょうか。ポイントはここです。
全帯域の位相が完全に揃っていれば、つまり音の立ち上がりが同時ならば立ち上がりの速い音と感じるよりむしろ音のスピード感は感じなくなります。スピーカーから音が離れ空間から音が鳴りだします。低域と高域を異なるユニットで受け持たせるのはf特的には大きなメリットがありますが、完璧に位相を揃える事・・・音の立ち上がりを完全に揃えること・・・は極めて困難です。
位相が揃わない原因は
★LCネットワーク
★重い振動板(低域)と軽い振動板(高域)の組み合わせ
★バッフル効果(音の回折効果)による位相ずれ
★箱なり(箱内部の共鳴音の漏れとそれに伴うキャビネットの共振)
位相が少しずれると高域成分が目立ち始めます。ズレは速度の差を感じさせる最大の要因です。このずれがエッジの効いたシャープな立ち上がりの速い音を感じさせます。そしてそれはオーディオ的快感をもたらしたりします。
オーディオ的快感をもたらすならば位相が多少ずれていても問題ないじゃねえか、と思う方もいらっしゃるでしょう。そうです、問題ありません。私もそういうオーディオ的快感も好きです。
しかし位相が完璧に揃った音の快感もまた格別です。スピーカーから音が解き放たれ空間に浮かぶステージから音が流れる快感もまた格別なものがあります。空間にあるのは音楽です。
位相が完璧に揃った音は奥行きを伴った空間に音楽そのものを浮かび上がらせるのです。
純粋に音楽を楽しむ、それがブロックシリーズです。空間から音楽が流れる、それがJuveacousticsのブロックシリーズのノンダクトバスレフ式スピーカーの特徴です。
3インチシングルコーンですので、大音量は無理です。40HZ以下の音は再生できません。(50-20kHZはほぼフラットに再生できます。)生の楽器の音楽なら問題ありませんが、20Hzとか30Hzとかの低域成分が大量に入っているソフトではボリュームを上げるとボトミングを起こして壊れてしまいます。色々制約もあります。しかし、それらの欠点を補って余りある魅力があります。スピーカーから解き放たれ、純粋に浮かび上がる音楽の快感が楽しめる、それがブロックシリーズです。
真のハイスピードサウンドはスピーカーから音が解き放たれ音楽そのものが空間から流れ出るようなものを言います。そしてThe Block シリーズのスピーカーはまさにこのハイスピードサウンドそのものと言えます。
コメント