nonDuct-B127

スピーカー

完成しました。

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ブロックシリーズとは異なる広葉樹を使ったノンダクトバスレフ式スピーカーです。

現在アサメラ材(アフリカンチーク)を使ったnonDuct-B126がありますが、今度はアパ材(アフリカケヤキ)です。アフリカ産のよく似た広葉樹ですが、どちらも硬く重厚な木材です。

ブロックシリーズとは異なり、少し再生音に色がつきます。少しですよ?このアフリカケヤキは中高域が少し華やかな響きになる印象でしたが、今作も同じ印象を持ちました。ステレオイメージは最高レベルです。しかし、例えばボーカルの口元の大きさがブロックシリーズとは異なり少しだけ曖昧になります。ただし、ブロックシリーズと比較しての話ですので市場に出ている人気のメーカー製のスピーカーよりずっと正確です。

そして今回の目玉は2インチフルレンジをツィーターとして使い2ウェイにしたことです。

振動板自体はどうやら少し異なるようです。左のB3Nがアルミで右のB2Sがアルミマグネシウムということです。マグネシウムを混ぜるとただのアルミより高域特性が良くなるので、ツィーターにするには好条件と言えます。音色的には変わらないことが期待できるこの組み合わせで果たしてどのような結果になるのかクロスの位置を含めて探っていきます。

大まかに言って試したのは以下のネットワークです。

3キロクロス、6キロクロス 6db/oct

3キロクロス、6キロクロス 12db/oct

ウーハースルーでツィーターのみコンデンサ一発でのプラスツィーター

色々試したんですが、やはり能率がほぼ変わらない同系統のユニットによる組み合わせはとてもスムーズです。音色的変化がどこで繋いでもあまり感じられない。通常のツィーターの場合はクロス位置で音色が大きく変化しますが、あまり変化しないのがこの組み合わせの大きなメリットと言えそうです。

最終的にB3Nを限りなくフルレンジで使う位置にクロスをもっていきました。このユニットは高域にピークの暴れがあるのでその前の6KHzで緩やかに6db/octで落としてやり、B2Sをその上に乗っける感じでほぼシームレスに繋がりました。いや、3KHzで繋いでもシームレスでしたけどね。3KHzだと若干シンバルのブラシが、ほんの少しですが、気持ち細くなる傾向はありましたけど。

繋がりはスムーズなんですが、異なったのはステレオイメージの再現性です。一番良かったのが6KHzの6db/octでしたので、最終的に採用したのはこれです。ほぼ予想通りでしたが。

ステレオイメージを阻害する位相の問題ですが、上は5~6KHzまでが一番重要になってくると感じています。それ以上の帯域はあまり影響してこないと考えています。理想を言えば10KHzくらいまで位相の回転が起きない状態がベストですが、今回の6キロクロスでもあまり影響は感じませんでした。そもそも生のオーケストラを聴いたときにトライアングルの音がどこから聴こえてきた?なんて感じたことありませんか?他にはオーボエやホルンのロングトーンの音もそう感じる事があります。漂うように空間全体に音があり、見えているオーボエ奏者やホルン奏者の位置から聴こえてこないような聴こえ方です。おそらくですが、倍音成分が非常に多い楽器はホール内にその倍音成分が鳴り響くときに10KHz以上の成分が他の楽器より多くなるために方向性を感じ取りにくくなるのではないか?これは私の中では確信めいたところがあります。

他にはフルレンジスピーカーにツィーターをコンデンサ一発で繋ぐときに、ツィーターの能率にもよりますが、20KHz以上の帯域で繋ぐような場合、ステレオイメージにあまり影響が出ないことが多いです。影響が出る場合もありますが、それは恐らく方向性を感じ取りやすい下の帯域にツィーターの音が影響している場合と考えています。

そしてなんやかんや実験を繰り返し完成したわけですが、このB3Nというユニットを使った数あるスピーカーの中で一番の完成度を誇るはずである、と一人悦に入っています(笑)

ブロックシリーズは非常に正確なトランデューサ―ですし、数百万円のハイエードオーディオに引けを取らない美しいステレオイメージを提供しますが、そういう音世界に興味を示さない人も多いのも現実です。ステージの見えるような音像より響き渡るセクシーな音色のほうが気持ちいい人も多い事でしょう。

この広葉樹ノンダクトバスレフ式は折衷案と言えそうです。美しい音像もホログラフィックに再現しますが、美しい響きが乗っています。ステレオイメージの正確性はブロックシリーズに比べ気持ち低下しますが、そこはキャビネットの美しい響きでカバーします。この127や126の方がもしかしたら万人受けする音かもしれません。

広葉樹を全面に使ったnonDuct-B126(写真左)やこのnonDuct-B127(写真右)のような響きをプラスするスピーカーも今後シリーズ化していく予定ですが、木材高すぎてなかなか自由に設計できないのが難しい問題です。音を聴いて頂ければ、現在48000円でヤフオクに出品しているnonDuct-B126など安い!と言って頂けると思うのですが、なかなか音を聴かずに納得してもらうのは難しい所です。このnonDuct-B127は58000円を予定していて近日中にヤフオクに出品予定です。

yooutubeで音を聴いてみる。

 

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