ノンダクトバスレフ式 オーダー品のご紹介

スピーカー

以前制作のご依頼があったノンダクトバスレフ式スピーカーのオーダー品のご紹介をします。

このようなイメージでの制作のご依頼がありました。ノンダクトバスレフ式で是非聴いてみたい、との嬉しいご依頼にFE87のダブルでの動作に一抹の不安はあったものの3インチ2発なら低域も十分伸ばせることを期待して制作を受ける事になりました。

上の図が制作依頼のイメージ図を横から見たもので、下が提案した構造です。ご依頼のダクトをユニットで挟む形ですとダクトとキャビネットを一体化するという点では不十分なので下の構造を提案しました。nonDuct-B115siや118siと同じ構造です。こちらのご提案を快諾してくださったので、上の図を基に作成しました。

内部構造です。

高さ奥行ともに40センチは結構な大きさです。

制作依頼はここまでです。仕上げはご自分でということなのでキャビネットを組立てて背面のターミナル端子を制作するところまでがご依頼でした。

完成品の音が聞けないのはなかなか淋しいですが、詳細なレポートと写真を頂きましたのでそれをご紹介します。完成後にメールをいただいたのでそれを以下にご紹介します。(紹介の許可は頂いております)

 

 

新年、明けましておめでとうございます。

ご返事が遅れて、申し訳御座いません。

色々と落ち着いたので、感想を送ります。

 

正直、今まで聴いてきたスピーカーの中でもダントツで音が良いです完全にメインスピーカーになりました。

 

FE87ですが、単発だと音量を上げると暴れてしまうのですが、並列2発にしたお陰で見事に制動しております。

今回は、新品未使用のデットストック品を使用したので最初の音出しは高音が暴れており、低音が全く出てなかったのですが2週間以上エージングすると、音が化けました。

ここまで高解像度で、鮮明な音は聞いたことがありません。

 エンクロージャーの変更点ですが、スピーカーターミナルに手持ちのバナナプラグが入らなかった為、全て変更しました。

内部配線は、1950年代 Western Electric 24AWGを惜しみなく使用しました。

はんだの素材は、これまた貴重なNASSAU AT-7076を使用しました。

 

スーパーツィーターは、TAKET BATPRO II を上に乗せました。

このスーパーツィーターは、音場を広げるのが難しい上方向に音場が壮大に広がるので、採用しました。

 塗装なのですが、木目が気に入ったので段差を無くして表面のヤスリ掛けだけにしました。

後々、汚れてきたら塗装するかもです。

 

FE208EΣを使用した大型バックロードホーンと聞き比べましたが、低音の量と壮大さは流石に負けますが、他の要素が凄すぎて総合的には大型バックロードホーンの負けです。音の鮮明度が段違いです。

 

あと、添付した周波数特性の画像を見ると質の高い低音が50hzから出ており、必要十分に聞こえました。

(100hzの落ち込みは部屋の構造の問題なので、実際はフラットです。)

これなら、サブウーハーは必要ないと思います。むしろ、サブウーハーを付けると音が濁りそうです。

 

コーヴェ工房様のノンダクトバスレフですが、大変気に入りました。

従来のバスレフとは全く違う、質の高い低音を実感しました。

もし宜しければ、何時になるか分からないですが、エンクロージャー作成の依頼を再度させて頂いても大丈夫でしょうか

また面白そうな、エンクロージャー寸法を考えようと思っております。

採用するスピーカーユニットも、揃えておこうと思います。

FE87は低域が難しいと思っていましたがダブルでの使用で50hzから十分に出ているとのご報告にホッとしました。そしてノンダクトバスレフ式で目指す音が、そのままご依頼者様が感じた音そのものであったことが何よりも嬉しいことでした。

そしてさらに

コーヴェ工房様のエンクロージャー、本当に凄いです…ファンになりました<(_ _)>
様々なジャンルの音楽を聞き比べましたが、全く不満がありません。
実は長岡鉄男氏のD-10 バッキーも所持していて、コーヴェ工房様のエンクロージャーが届くまではメインで使用していたのですが、もう戻れそうにありません…。
音の濁りが明確に分かりました…。
とのお言葉を頂きましたが、私にとって音の好みは別として故長岡先生は神様みたいな方ですから本当に光栄なお言葉でした。

スピーカー職人冥利につきるお言葉が頂けて幸せな仕事となりました。制作依頼をしていただき本当にありがとうございました!

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