nonDuct-B115si,118si,119si3機種の音について

スピーカー

大きさ比較です。左の写真が118と119です。高さはほぼ同じ。右の写真は119と115です。118と115の横幅は同じです。

nonDuct-B119si 180×340×300
nonDuct-B118si 149×337×300
nonDuct-B115si 149×270×300

奥行きは全て300mmで同じです。

まず115ですが、非常に正確でマッシブな音の佇まいをしていると思います。とにかく強靭なキャビネットです。このサイズで側板(30mm)以外、38mmを採用しているメリットは音に如実に表れています。スピーカーのSN比が最高レベルですから見事な音像を表現してくれます。その音像は3次元的です。音像のみが目立つような鳴り方ではなく音場感が優れているので、音場の中にホログラフィックに音像が形成されます。低域も十分伸びており60-20kを8センチ一発でカバー出来ています。低域は入力信号そのままを受け止める強靭なキャビネットのおかげで非常に明瞭です。

ただ一つの弱点としては50HZ以下の音が弱いのでフルオーケストラ、例えばマーラーなどを再生した時にコントラバス帯域が基音から再生出来ず倍音成分のみの再生になることから、多少軽くなってしまいます。いわゆる重低音再生は難しいと言えます。

ただし、中高域は極めて明瞭です。6畳間や8畳間程度ならば、十分にメインを張れる実力があります。例えば内外のメーカー製の2~30万円クラスの小型2ウェイなどは相手になりません。少なくとも私の耳では圧勝しています。100万クラスじゃないと相手になりません。

次に118siですが、115siの音をそのままに低域を伸ばしたモデルです。大きくなった分強靭さは115より一歩譲ることになるわけですが、音的に中高域はそのまま低域の再生能力が上がったイメージです。内容積が増えた分下に5HZ 拡大しました。たった5HZですがこの違いは曲によっては結構印象が変わります。低域の厚みが増した結果特にオーケストラにおいて音に深みが増しています。

この両機115と118の特徴として、これはノンダクトバスレフ式の特徴と云えますが、スピーカーから音が聞こえてこないのです。並べて鳴らしているとどのスピーカーから音が鳴っているのか全然わかりません。

こうやってテストするときに、例えばボーカルの音像は後ろのユニットがついていないキャビネットあたりやや上にあるのですが、どのスピーカーがなっているのかわからないなり方をします。この写真の118の両サイドに115があるのですが、115に切り替えてもボーカルの位置はほとんど変わりません。そしてやはりどのスピーカーがなっているのか音場や音像から特定できない、そんななり方をします。この写真には写っていませんが後ろにDENONのSC-E717という市販スピーカーがあるのですが、このスピーカーに切り替えた時だけはすぐにDENONがなっている、と特定できます。

これがすなわちスピーカーのSN比です。DENONも市販スピーカーとしてはかなり強力なキャビネットと思います。内部にウーハーを格納してプッシュプルで駆動する関係上通常の小型スピーカーよりキャビネットは強固でSN比は高いです。しかし、ユーヴェ工房のSN比を極限まで高めたスピーカーとは次元が全く異なります。

この音の出方の違いこそユーヴェ工房が求めるものです。

そして119ですが、115や118の3インチユニットに対して4インチのユニットを使っています。そして内容積8リットルのノンダクトバスレフ式なのでかなり大きく感じます。

音は115や118ほどの精緻な音場感やホログラフィックな音像ではありません。全面30mm厚なのでキャビネットの強靭さは一歩譲ります。ただし、このモデルは重低音レベルの低音が軽々と出ますのでフルオーケストラを聴いても30cmウーハーを使った大型ブックシェルフスピーカーに負けない厚みも聴かせてくれます。115や118ほどではないと言いましたが、市販スピーカーと比べるとやはり次元が違うSN比のスピーカーであるので、そのステレオイメージは鮮やかです。そしてこのスピーカーは20畳くらいの部屋でも十分メインを張れる実力ですし、ヤマハあたりの100万クラスの2ウェイと比べると圧勝できる実力があります。低域が伸びてるし厚みがあるためオーケストラ再生においては115や118より優秀といえます。

3機種に共通していることは、フルレンジある事、非常にたかいSN比を持ったキャビネットであること。フルレンジであるというのはコイルを排除できるというとても大きなメリットがあります。スピーカーケーブルを変えて良い音になった経験はありませんか?皆さんあると思います。コイルって銅線をぐるぐる巻いたものですよね。アンプとユニットの間にそんなもの挟んだら音悪くなりますから。大体コイル入れたら高域が再生できなくなる、それを利用したのがネットワークです。フルレンジで広域までカバーできるなら、コイルなんて入れないほうが100%音は良いに決まってます。

そしてフルレンジで低域まで正確に再生させる方法があるなら、その方が良いに決まっています。そう、ノンダクトバスレフ式ならね。

 

 

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