エレクトロボイス S40B を改造する

スピーカー

エレクトロボイスのS40Bというモニタースピーカーがあります。プロ用スピーカーなのでオーディオ店では販売されていないようです。以前、BOSEの101シリーズやJBLのコントロールシリーズ、ダイアトーン他数社から販売されていた鬼のようなダイキャストフレームを奢ってあるシリーズなど樹脂製のスピーカーを集めて聴いていたことがあります。その時入手して聴いたものではこのエレクトロボイスのものが一番低域がしっかり出ていました。まあ筐体も一番大きいしウーハーも一番でかいので当然と言えば当然ですが。

樹脂製の筐体のスピーカーの中で一番完成度が高いのはBOSEのイタリアーノと思っています。(ユニットのみ取り外して保管していますので、そのうちこのユニット用の箱をつくるつもりで保管中)ただし、箱を自分で作って音をグレードアップすることを考えた時に一番可能性を感じるのはBOSEではなくエレクトロボイスと思っていました。繰り返しになりますが、ユニットでかいし。

このS40Bは2ウェイのバスレフ型です。ただし、バスレフとしてきちんと動作しているとは思えません。低域は出ているといっても70~80HZくらいまで。ダクトはありますが、調べたところダクトのチューニングは110~120HZ辺りのようなのです。つまりバスレフ型になっていますが、ダクトはあまり機能させていないようなのです。

で、思っていたのですよ、ダクトのチューニングをぐっと下げてまともなバスレフ型の箱に入れたら良いんじゃないかな、って。

このスピーカーは業務用途、つまり大音量でモニターするためのスピーカーです。ネットワークを見ると保護回路に電球やポリスイッチという一種のヒューズを使い大入力に対する保護を徹底しています。そしてウーハーはコイル一つの-6㏈/oct。ツィーターは味付け程度の使い方のようです。f特的にいうと典型的なかまぼこ型です。音量上げて使うのが前提ならこの特性がベストです。

で、問題はどういう方向にもっていくのか?です。せっかくのモニター用途のスピーカーですから、その持ち味を消すのはもったいない。かと言ってせっかく箱を新調するわけなので、圧倒的にオリジナルを超えたい。という悩みつつ数年が経過しています^^

ユーヴェ工房としてステレオイメージを徹底的に追及するスピーカーを作っていますが、今のスピーカーづくりとは逆方向も面白いかな、と。

つまり、

点音源←→面音源

分厚い板による鳴かないキャビネット←→薄めの板によるよく響かすキャビネット

ネットワークなしのフルレンジ←→保護回路たっぷりのネットワークありの2ウェイ

よし、これで低域を40HZまで再生出来るキャビネットを作ろう。

薄めの板ならやはり響きが良いとされる広葉樹系です。ということで入手したのはホワイトオークとアフリカケヤキ(アパ)。10mmと11mm。30mmとか38mmで作るnonDcut-Bシリーズとは全く違うものになるでしょう。

横20センチ縦30cm奥行14センチというサイズに決定。内容積5.5L。ダクトは内径31mmで長さ12センチ、fd値は54hz。これで40hz再生が出来るのか?出来るでしょう。

分解。問題はツィーターの取り付けです。ビス穴が前側にあるのでキャビネットの中側に設置するしかありません。そして中側に取り付けてもバッフル面にビスのみが4つ見えることになります。このネジのみ見えてる内付けはダサいのでサブバッフルを作成しサブバッフルごとバッフルの内側に取り付け、表からは振動板のみが見えるようなデザインにしました。

サブバッフルはホワイトオーク。

表側はウーハー部分もツィーター部分もR加工し、ショートホーンのようにしています。

左は素の状態で、右は蜜蠟ワックス仕上げ後の状態です。このように完全に内側取り付けでバッフル表からは振動板のみが見えるデザインです。

因みに、バッフルと背板はアパというアフリカ欅材です。天板、底板、側板をホワイトオークで組んでからバッフルと背板のアパ材でサンドイッチする構造です。

ダクトは12センチですが、奥行14センチという薄型のため直管では設置出来ないので折り曲げています。

そして完成したのが

横置きにするとこんな感じに。

デザインはほぼイメージ通りになりました。

通常ニスを塗るのが良いと思っていますが、アパ材は材自体に色がついていますし、ホワイトオークを使ってオーク色に塗るのも間抜けです。ニスでクリア塗装も考えましたが、今回は蜜蠟ワックス仕上げにしました。木の質感そのままに綺麗に仕上がったと思います。

肝心の音ですが、低域を伸ばす、という目的は100%達成しています。40hzまでしっかり再生出来ています。35hzさえ再生しています。オリジナルが定価5万ならこの音なら10倍でも安いと言えるでしょう。ノンダクトバスレフ式のステレオイメージを鮮やかに浮き上がらせるような精緻な再生音ではありません。そういう設計ではないですし。おおらかに面でなるクラシカルな再生音です。非常に心地よい欅とホワイトオークの響きが再生音に乗っているのがわかります。定位は明確ですが、あくまでも2次元的です。多くのヨーロッパトーンのスピーカーに共通する響きと言えるかもしれません。オリジナルはせいぜい70~80Hzまでしか再生出来ていませんでしたが、このスピーカーは35hzから再生出来ていますので、結果、大人しい高域も相まって完全なピラミッドバランスのスピーカーと言えると思います。

nonDuct-Bシリーズはある意味聞き手を選びますが、このスピーカーは万人受けする音と言えると思います。狙い通りに完璧に仕上がった大成功のスピーカーになりました。

裏側にオリジナルの箱から移植したシールを貼ってます。

ヤフオクで販売しますのでご興味を持っていただいた方は私のヤフオクページをご覧になってくださいませ。 おかげさまで売り切れとなりました。ありがとうございます。

 

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