マークオーディオのフィデリティムサウンド社の中島社長と協力する旨をお伝えしましたが、そのことについて少しご報告します。
今回はnonDuct-B124siに関するものではなくて、別の案件です。
きっかけは、こんなものも作ってるんですよ、と中島社長にお見せしたこのスピーカーでした。
かわいいでしょ?マイクロオーディオセットです。
ユニットは2インチです。背面にパッシブラジエーターを設置しています。パッシブラジエーター式の小型スピーカー造りに関してある程度私なりのノウハウがあり、小型高品位スピーカーをお買い上げ下さったお客様からも絶賛されたことで、このパッシブラジエーター式の小型スピーカーも鬼のような耳を持つ中島社長に聞いて貰うことにしたのです。
基本的に完成したスピーカーは自分では「いい音になってる!」と思いますが、その音に普遍性があるのかどうかはわかりません。やはり第三者の判断を聞くことは非常に重要です。ことスピーカー造りに関しては色々な人の感想はとても重要です。
ということで、聴いて頂いたのですが、絶賛されたのですよね。
「パッシブラジエーター式は音が重くなる、一瞬遅れるラジエーターの音でまともな音を聴いたことがないが、なんでこれはこんな軽々とした音が出てるんだ?野上さん、これ凄いよ。」と。
へへへ、やったぜw
うーん、そうか自分だけの独りよがりではなかったな。
音造りのノウハウを一通り説明しましたが、かなりお気に召したようです。
「うちのユニットで作ってよ!某オーディオ誌から小型スピーカーの依頼が来てるんだけど、こういう小型のパッシブラジエーター式のやつをCHN40で出来る?」
「実は既に作ったんですよ。すごく良かったので聞いて貰おうと思ってたんですけど、出品したら次の日に売れてしまいまして。なのでちょっと修正したらすぐ出来ますよ。」と。
以前作ったものです。
この写真をお見せしたら、うちのこのユニットでああいう風に音が出るなら(最初にお聞かせした超小型のやつです)、相当良さそうだ!ということになり、マークオーディオのスピーカーを私が設計する栄誉を預かりました^^
ということでこの2週間ほど、マークオーディオの長野県にある工場に行ったり、試作品をつくったりを繰り返していました。
試作品の一部です。
採用されたものは写真奥にある隠れたやつです。
フィデリティムサウンド社に持ち込んで聴いてみましたが、超小型スピーカーとして会心の出来になりましたよ。
視聴の様子をyoutubeにアップしていますので観て頂けると嬉しいです。ユニットはマイカバージョンに付け替えて視聴しています。
パッシブラジエーター式に興味をもって一時作りまくったことが、今回の結果につながっているのであのころの経験が活きたなーと感慨深いものがあります。
そして、もう一つ。中島さんは某所からふるさと納税の返礼品用のスピーカーを依頼されていたそうですが、その返礼品用のスピーカーもこのタイプで作ってくれ、と依頼されました。基本設計は同じですが、使用する木材がそのふるさとの特産木材になります。
某オーディオ誌の分は広葉樹を使って上手くいきましたが、ふるさと返礼品の分は軽めの針葉樹になります。
同じように作ってもこの大きさで軽めの針葉樹でうまくいくのか?
ちょいと悩みましたよ。
しかし、いい方法を思いつきました。というか以前から考えてはいたのですが、それを実践するときが来たぜ。
リアルブロックスピーカーです。
通常スピーカーは6枚の板で箱を構成します。それを2枚の板でつくるのです。今回は6センチ厚の板を2枚張り合わせることにしました。それぞれの板の中身をくり抜くのです。くり抜いたものを貼り合わせて箱にするという構造です。外見上は同じような形になります。
ブロックシリーズのパッシブラジエーター版です。年輪の中心が二つ並んでいるのが分かると思います。これはくり抜いてブロック状にする試作1号機になります。現在2号機を試作中なのでまだ完成はしていませんが、こちらも上々です。しかし、広葉樹版との音の違いは本当に面白いものがあります。こちらも完成・決定したらまたご報告します。
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