アンプで音は変わらないという嘘

audio

何年か前にYOUTUBEでアンプで音は変わるのか?という動画を興味本位で見ました。

あまりにもバカバカしいその比較方法に呆れてしまいましたが、こんなバカなことを恥ずかしげもなくネットで公言出来ることが凄いと感心したものです。

曰くアンプで音は変わらない。DF(ダンピングファクター)の数値では音に多少影響する。この人何言ってんだろうか?と驚きましたが大真面目のようでした。ダンピングファクターをアンプとは関係のない事として結論づけています。

ダンピングファクターはアンプの出力インピーダンスの話です。

その動画を見た時に、こういうを信じる人なんていないだろーくらいに思ってそのチャンネルのことは忘れていました。しかし、去年の暮れだったかにネットを徘徊していて自作スピーカーのページを見ていた時に、そのチャンネルで言ってた事をそのまま鵜呑みにしている人を発見してしまいました。マジで信じる人がいたー!!と驚愕しましたが、オーディオ情報をネットからしか仕入れることが出来ない若い子にはしょうがないことなのかもしれません。

またそのことは忘れていたのですが、先日グーグルのページにニュースやブログ記事なんかが並ぶページにオーディオ記事が出まして。日常的にオーディオ関連のページを見てるからグーグルさんが勝手に表示してくるのでしょうけど。タンノイのユニットを使ってスピーカーなんて記事だと私は読んでしまいます。当然ベテランのオーディオマニアを予想します。読み進めると、アンプはダンピングファクター以外で音は変わらないから云々との色を変えた文字列が!タンノイ使うベテランが何をバカなことを!と思いましたが記事の作者は若者でした。若者と言っても十分な大人でしたけど。

これはいかん、戯言と言ってる場合じゃないのかもしれない。もはや害悪と云えます。

その動画で、数千円のデジタルアンプと値段の高いアンプで比較検証できるように動画を挙げていたのですが、その動画を聴いたらみんな思います、ホントだ変わらない、と。

変わるわけないだろ、という検証の仕方なのです。アンプの出力端子に抵抗一つ付けてアンプから直接信号を取り出して、ほら変わらないでしょ、とやっているのです。実際にスピーカーを駆動してその音を比較検証するならまだわかりますが、スピーカーを駆動することなく直接アンプから信号取り出して、波形比べて同じです、とかやってるのですよ。

こんな姑息な人を騙すような意味のない検証方法で、さも科学的みたいにデータを出して嘘をまき散らすのは害悪と云えます。本当に性質が悪いチャンネルです。

アンプというモノを全く理解していない。

アンプは増幅機です。スピーカーを駆動するための機械です。アンプメーカーはそれぞれが理想と思う音造りをするために出力インピーダンスをどのくらいにするのか考えて設計しています。例えばデノンの入門機辺りは小型2ウェイを駆動することがほとんどと想定してダンピングファクターが低めになるように設計しています。ダンピングファクターが低いと低域がゆったりなる傾向になるので小型2ウェイあたりのスピーカーを鳴らすと低音が豊かに出てバランスよく聴こえるようになるからです。あくまでもDFは一要因でしかありませんけどね。

アンプで音が変わることが聴き分けられないのなら、自分だけで音は変わらないと思っておけばいいのです。嘘を広めるようにアンプとしての一番の役目であるスピーカーを実際に駆動させることなく、抵抗一つ入れてアンプから直接信号取り出して「同じでしょ?」とやるのはダメですよ。増幅器なのに増幅させないで比較するなて馬鹿げています。

信じてる人がいっぱい出て来てるようなので、あのチャンネルは嘘を言ってるということが信じちゃってる人たちに伝わると良いのですけどね。波形データを並べるとさも正しいことのように見えますが、意味のない波形データを並べているだけなのです。

ダンピングファクターはアンプの一要素です。

アンプをなんだと思っているのだろうか?

以上の件について真面目に考えてみたのです。なんでアンプで音が変わらないなんてデマが広がっているのか。その辺りについて続編として記事化します。

続く

にほんブログ村 音楽ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへにほんブログ村

 

コメント