2作目の”Flat 2″です。
1作目をぐーっと小型化しました。基本構造はほぼ同じです。
サイズは高さ400mmです。
幅は145mm、奥行き158mm
無垢材のウォルナットとホワイトアッシュを使用し板材の美しい響きを加味しつつJuveAcousticsらしいステレオイメージを出現させることを意図した作品になります。
前作のBlockDuct-T174siで水平対向ブロックダクトの成功に気を良くしたので、小型化してこの水平対向ダクトの有効性を再確認します。

上に内部写真もありますが、水平対向ダクトの解説図を手書きで用意してみました。
注目ポイントはAの部分です。
去年からキャビネットにおいて大事なのは実は内部であると確信し、内部の空気の動きと音の動きを考えて来ました。
音は空気の振動の伝播です。←これが一番重要です。
空気は移動しません。ダクトから勢いよく放射される空気を皆さんはご存じと思います。これを音と混同してしまいがちですが、あの勢いよく放射される空気は音でなくユニットが動いてキャビネット内部の空気の密度を変化させることでダクト近辺の空気が移動しているに過ぎません。キャビネット内は多少の移動はあるにせよ、基本的に空気はその場にとどまっています。
キャビネット内部ではユニットの振幅により内部の空気の気圧が激しく変化しています。この気圧の変化を理解することが重要であることがようやくはっきりとわかってきました。
音は空気の移動を伴うものではなく、振動が空気を伝わる現象ですが、キャビネット内部という特殊な環境だと複雑化してなかなか理解するのに難儀します。特にバスレフ方式などの内圧の調整弁としての動作とヘルムホルツ共鳴を同時に動作させると、あの勢いよく出るダクトからの風を低音と思ってしまいがちです。しかし、音と空気の動きは別なので、別物として考えなければなりません。
小型ブロックダクトを作ったときに、なぜこんな小口径ダクトでバスドラの音がちゃんと出るんだろうか?と、ブロックダクトすげー!くらいに思っていたのですが、今ようやくその原理が完全に理解出来ました。
ブロックダクトはキャビネットの内圧の変化から生じる空気の動きをコントロールすることに関して抜群のメリットがあります。ただし、ブロックダクト構造だけでは駄目でその他ダクトの出入り口の対称化、ラウンド化、そして吸音など、その他の技術の複合化によってそのメリットを最大限享受できます。
そこで今作の”Flat2″ 第2弾ですが、私が今持っている理解と技術を注ぎ込んだ第二のBlockDuctともいうべき構造です。
前置きが長くなりましたが、手書き上図の「Aのポイント」に注目してください。ここは前面と背面のダクトに挟まれた中央の空間になります。
ユニットが「後ろ(キャビネット内側)」に動くと、一瞬で内圧が跳ね上がり、このAのポイントの空気密度が極限まで高くなります。圧縮された空気は、逃げ場を求めてダクトから一気に外へ押し出されます。
逆に、ユニットが「前(外側)」へ動いた瞬間、今度は内圧が急激に下がって負圧になります。するとAのポイントの空気密度が一瞬で疎(薄く)になり、ダクトから勢いよく外気が引き込まれます。
これが、Aのポイントを中心に起きている「超高速の押し出しと引き込み(ピストン運動)」です。60Hzの音が鳴っている場合、この一連の動作を1秒間に実に60回も繰り返しています。
そしてAはこのダクトの動作をスムーズにする働きがあるのではないか?と仮説を立てて水平対向ダクトを考えたのです。圧縮開放が向き合うダクトの入り口で同時に行えるわけですから効率が良いのではないか?ということです。
そしてその仮説は前作の大型トールボーイで実証されたと考えています。通常のポートより効率が全然良かったのです。低音出過ぎや!くらいです。後ろ側のダクトにうっすら吸音材を入れて調整するくらいが丁度良いレベルで出ていました。
そして空気の流れをしっかりコントロール出来れば小口径化しても低音はしっかり出るブロックダクト式なら小型化したフラット2でも意図した音になると考えての設計でしたが、完璧に意図した音に仕上がっています。うーん、わし見事やねw
水平対向ダクトにする場合のもう一つの大きなメリットが、ロングダクトによる弊害を無くせる点にあります。5リットル以下の小さな箱で10cmものロングダクトを使うと、どうしても効率が悪くなってしまうのです。
なぜかというと、管(ダクト)が長くなればなるほど、中を通る空気が管の壁にすれて「強いブレーキ(摩擦抵抗)」がかかってしまうからです。
イメージしてみてください。長いストローでドロっとしたジュースを吸うと、すごく力が要りますよね?
小さな箱の中の空気パワーでは、管の中に詰まった「重い空気の塊(空気の柱)」を1秒間に何十回も超高速で押し引きしにくくなってしまうのです。
その結果、ダクトの効率が下がり狙ったfb付近の音が下がってしまいます。
そこでこの「水平対向ブロックダクト」ですよ!
前面と背面にダクトを分散して対向配置させることで、1本あたりのダクト長を短くしながら、狙った低域のチューニングを実現しています。
管が短くなったことで空気の抵抗が減り、1秒間に数十回〜数百回という超高速な内圧変化に対しても、リニアに追従できるようになります。
「ポートを無理に長くして数値上の低音を稼ぐ」のではなく、「短く効率の良い対向ポートで空気の追従性を高め、音本来のハイスピードな立ち上がり(レスポンス)を100%引き出す」設計意図であります。
まだ仕上げ前の状態の写真です。完成写真は後程。

向こうが見える水平対向ダクト部のアップ

予価15万円前後で販売予定です。
販売開始とyoutubeのアップは後程またお知らせします。


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