nonDuct-Bシリーズのそれぞれについて

Juve工房

現在nonDuct-Bはブロックシリーズ3機種、広葉樹シリーズ3機種を販売しています。

簡単にそれぞれの違いについてのインプレッションをお伝えしたいと思います。

まずはブロックシリーズ3機種。

左からnonDuct-B124si、nonDuct-B121si、nonDuct-B125siです。

ブロックシリーズはキャビネットをブロックのように頑丈に作っている強固なキャビネットをもつSN比の非常に高いハイスピードサウンドが特徴のスピーカーです。使用している板材は針葉樹の松系のもので夏目と冬目で硬さが大きく異なり全体としては比較的柔らかい素材と言えます。それを側板以外は38mm、側板は30mmと厚めの板で強固に組んでいます。適度に板そのものの内部損失が見込まれるために、結果として出てくる音は鮮やかに浮かび上がるステレオイメージが特徴です。キャビネットと一体化された独自のノンダクトバスレフ構造により全面ダクトの124siや121siはバッフル下部(ダクトがある部分)の板厚は10センチ前後にもおよびその強度は他の追随を許さないものとなっております。125siは背面ダクトのため背面部分にあるダクト周辺の板厚が10センチほどになっています。

音の特徴としてはスピーカーの存在が消えるような鳴り方に特徴があります。音がスピーカーを離れスピーカーの間にある空間そのものから立ち上がるような鳴り方をします。この3台を並べ音出しをするとどのスピーカーが鳴っているのかまずわかりません。スピーカーから音が聴こえてこないからです。これがハイスピードサウンドの特徴といえます。

3機種の違いは124siがリファレンスを名乗らせている通り少しずつ全ての面で優れています。121siと125siはどちらも124siに肉薄できるものがりますが、比較視聴してわかるレベルのものなのでコスパは優れていると言えます。121siと125siはどちらも非常に似ていて実力は同程度かもしれません。気持ち121siが低域の量感があり、125siの方が引き締まった音像を見せてくれる印象です。

このシリーズはユーヴェ工房としては100万円級のスピーカーと対決の場があったら喜んで出たいレベルです。ステレオイメージの再現においては負ける要素が見当たらない。もちろん、最低域のF特的な再生限界とかの話ではありません。大きなウーハー付けたスピーカーなら40Hz以下の音を楽に出せるスピーカーもたくさんあります。そういう次元の再生で勝負していません。リアルで鮮やかなステレオイメージ再生をするために設計されたスピーカーです。この点においては自信をもっておススメ出来るスピーカーです。

そして次に広葉樹シリーズです。現在nonDuct-Bの広葉樹シリーズは3機種販売していますが、それぞれのインプレッションについて。

左からnonDuct-B129  nonDuct-B127  nonDuct-B126になります。

この広葉樹シリーズは無垢材を使っていることが最大の特徴です。左の2機種がアフリカケヤキと呼ばれるアパ材で、右のスピーカーがアフリカンチークと呼ばれるアサメラ材です。

このシリーズは再生音に木の響きが加わっていることが最大の特徴です。アフリカンチークもアフリカケヤキもどちらも硬くて重厚な木材で非常に高価です。硬い無垢の木材は鳴きます。硬いからこそ鳴くのです。広葉樹で広く一般的にスピーカ素材に使われているものにフィンランドバーチの合板がありますが、無垢材のようには響きません。間に接着剤の層があるからでしょうか、無垢材のようには響きません。硬くて良い素材とは思いますが、堅いので響きますが無垢材のような美しい響きではありません。

しかしこの木の響きが再生音に乗るというのは、気持ちの良いものである反面正確な再生音という概念とは相反するものとも言えます。クラシックの室内楽を聴いたら美しいホールトーンが響きます。しかし、ブロックシリーズが石造りの教会の響きと木のホールの響きの違いを示すの対してこの広葉樹シリーズはその違いを表現しきれません。キャビネットの美しい響きが乗ってしまい細やかな響きの違いを同じ響きにしてしまう傾向があります。

しかしこれはブロックシリーズや一部のハイエンドスピーカーを除く、多くのスピーカーにも言えることですけど。タンノイにしろJBLしろすべての音はタンノイの響きになるしJBLの響きになる。独自の個性を持ったスピーカーという事です。タンノイが典型ですが、タンノイの響きに惚れたらその響きでないと美しく感じないというような、相性的な話かもしれません。そのような特徴のスピーカーがこの広葉樹シリーズです。しかし、木材もユニットもユニット構成も違うので3機種それぞれ特徴があります。

低域の沈み込みが一番すごいのが写真一番右の126です、僅差で127、そして129の順の印象です。キャビネットの響きとしては127と129は同じ全面アフリカケヤキのせいかよく似ています。

しかしこの記事を書くために3機種それぞれ切り替えながら聴きこみましたが、ユニット全部違うしフルレンジに1.5ウェイに2ウェイと構成全く違うのに、よく似てる(笑)

良く考えれば当然かも、設計者が同じだから。設計者の好みのバランスになっているということか。

間違えて途中DENONのSC-E717を鳴らしてしまったのですが、いきなり異質な音が出てびっくりしました。広葉樹シリーズはブロックシリーズと比べて音像が曖昧になるイメージがあるのですが、DENONが流れてびっくり。音像巨大で。曖昧とかの次元じゃない。セッティングもありますけど、やはりその辺の表現は当時のDENONの設計者は全く考えていない事がよくわかる。

話を戻しますが、中高域に関しては126と129がよく似ています。こうして聴き比べるとpeerlessの優秀さがよくわかります。一番バランスが良く奥行表現が優れているのは127でした。

音場の展開としては一番前に来るのが126でした。ついで129。

キャビネットの響きとしては、やはりアフリカケヤキが気持ち明るく華やかな響きのイメージです。アフリカンチークは響きそのものはアフリカケヤキほど響いていないのかもしれません。

今も聴き比べながら書いていますが惚れ惚れするぜ。値段の設定を54000円(127)、48000円(126,129)としていますが、自分で言うのもなんですが格安と言える。これオーディオ店で聴いたら10倍の値付けで格安扱いされるはず。

聴かずに購入して頂くのはとても困難なことです。しかし、期待を裏切らない出来のスピーカーであると思っています。

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